泥のように眠る。
と聞いてどんなイメージが頭に浮かびますか?
一日中歩き疲れて疲労困憊、
クタクタになりながら
やっとの思いで家にたどり着き、
着替えもしないまま、
倒れ込むようにベッドに横になる・・・・・・。
そんな映像が頭の中のスクリーンに
映し出されませんか?
“泥のように”は、
その後ろの「眠る」といつもセットで現れます。
昭和の小説の中でしばしば見かけましたが、
最近はあまり見かけなくなりました。
(私の好きな比喩表現のひとつです。)
この、”〜のように(な)”という
比喩表現を、レトリックでは
直喩(ちょくゆ)と呼びます。
直喩は、直接的に何かを例えて表現するので、
素直で順当な印象を読者に与えることで、
その文章に信頼感をもたせるという効果があります。
また、ピタリとハマったときには非常にしっくりとして
読者の理解も一層深まりますし、
イキイキと活きのよい文章に見せてくれる
素晴らしい技法の1つです。
ちなみに私の知る限り、
村上春樹の作品では
隠喩の使用は0
比喩表現はすべて直喩です。
ちなみに
隠喩の効果としては、
含みをもたせることで
文章に奥行きを出すという効果ありますが、
同時に暗い印象も与えます。
村上春樹が
意図して隠喩を封印しているのかどうかは
ご本人に直接たずねてみないことにはわかりませんが、
私は、村上春樹は
この『文章の暗さ』を避けたいという
意図があるのではないだろうかと想像しています。
この直喩表現には、
特に規定はありません。
ですから、
あなたが見たもの感じたものを
自由に”まるで〜のような〇〇だ”と
書いていただければよいのです。
あなたのブログに
より瑞々しいイメージを与える効果を持つ
直喩表現。
食べ物や生き物が登場するときなどに、
それがどんな様子なのか、
なにかに似ていないか、
ご自分の感じたままを
“まるで〜のような”というカタチに
はめ込んで、オリジナルの直喩表現を
作ってみてください。