「こういった」はおじさん臭がする

A こういったことは認められません。
B このようなことは認められません。

話し言葉であれば、
どちらでも構いません。

でも、書き言葉では今のところBが正解です。

Aの”こういった”は、
ここ10年ぐらいの間に、
話し言葉(会話でしようする言葉)として、
急速に普及してきました。

以前から、

“そういった〇〇”
“こういった〇〇”
“ああいった〇〇”

という話し言葉としての言い回しは
確かにありましたね。

そもそも言葉はどのように生まれてきたのかというと、
大前提として、

言葉は人と人とが意思伝達するためのツール

ですから、
人と人との対面での会話の中で、
必要に迫られて生まれてきました。

次に、
その会話の内容を記録をする必要性が生まれ、
文字が生み出されたのです。

日本語も勿論その例外ではありませんでした。

明治時代に”言文一致運動”が起きるまでの日本語は、
会話の中の言葉(話し言葉)と
書くときに使う言葉(書き言葉)が
特に大きく異なっていました。
(それにも様々な理由がありますがここでは割愛します)

その両者が、明治時代に入ってから一気に近づき、
現在では、話し言葉として生まれた言葉が、
すぐに書き言葉でも使われるようになりました。

そんな中での”このような”は、
もともと形容詞「この様だ」の連体形であり、
こちらは話し言葉でも書き言葉でも
ずっと昔から使用されていました。

その”このような”という言葉の
話し言葉のバリエーションの1つに、
“こういった”が、以前から存在していたのです。

言葉には、その言語を使用する人々のうちの
80%ぐらいの数が認知すれば、
新しく正式な言葉として、
(つまりスラングではなくなり、)
世間で認められるという性質を持っています。

そういう意味で、”こういった”は、
単なる話し言葉から、
実際に今、カジュアルではありますが、
書き言葉の立ち位置にもかなり食い込んできていて、
それをよしとする人々もまた
現実に増えてきているということも踏まえると、
書き言葉として”こういった”を使用することに、
それほど目くじらを立てる必要は
ないのかもしれません。

ですが、”こういった””そういった”は、
書き言葉のお手本とされる新聞紙上で
いまだに使用NGとなっていることや、
大学入試・就職試験での使用も
基本的にNGということもあり、
正式な書き言葉としては
まだ認められていない、と言えます。

私は、そんな社会通念や文法的な理由以上に、
見た目と音の響きの美しさという点で、
“このような””そのような”の方を
ぜひあなたに使っていただきたいと心から思います。

特に女性にはお願いしたいですね。

なぜなら、
“そういった”には、
非常にもっさりとした、
垢抜けない語感を感じるからです。

この言葉を使用することで、
その文章全体に、
一気におじさん臭が漂うような感じ。

つまり”残念な文章”ということです。

せっかくきれいめな文章を書こう、
そこで他との差別化を図ろうと
あれこれ努力しているのに、

“こういった”の一語で
台無しになってしまうのです。

oh!No!

“こういった””そういった”が、
たとえ実際に書き言葉として
正式に認知される日が来たとしても、

私は、
“このような””そのような”の方を
ずっとずっと使い続けたいです。

洗練された美しい日本語を
常に意識している人であるのなら、
きっとこの意見に同意してくださると思います。